満タンになった500円玉貯金箱をもって買い物ができるか

2018.10.06 弁護士コラム

500円玉貯金箱をご存知ですか?

もしかすると実際にやっているという方もいらっしゃるかもしれません。

冒頭の写真は満タンになると300,000円になるという貯金箱です。

500円玉貯金をするという場合には、それなりの目的があると思います。

欲しいものを買うためや海外旅行に行くためなど、500円玉が手に入るたびにコツコツと貯金箱に入れていることでしょう。

では、実際に満タンになった500円玉貯金箱をもって買い物ができるでしょうか。

実は、ここには落とし穴があるのです。

通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律とは

日本には「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」というものがあります。

この法律は、日本における通貨の額面価格の単位や、端数の計算方法、貨幣の種類などに関し必要な事項を定めています。

この法律の第7条に次のような規定があります。

貨幣は、額面価格の20倍までを限り、法貨として通用する。

貨幣とは、500円玉・100円玉・50円玉・10円玉・5円玉・1円玉などのいわゆる硬貨を指します。

これに対し、1000円札・2000円札・5000円札・10000万円札などのいわゆる紙幣は日本銀行券です。

貨幣と日本銀行券をあわせて通貨といいます。

次に、法貨とは、金銭債務の弁済手段として用いることができる法的効力(強制通用力)を通貨という意味です。

したがって、「貨幣は、額面価格の20倍までを限り、法貨として通用する。」という条文をかみ砕いていうと

「硬貨は額面価格の20枚までであれば支払いの手段として使うことができる。」

ということになります。

つまり、同じ金額の硬貨は20枚までしか使えないということなのです。

具体例

例えば、満タンになった500円玉貯金を持って食事に出かけたとします。

注文したのが10,000円(税別)のコース料理。

美味しい料理を堪能して、いざお支払いというときに貯金箱を開けたとします。

しかし、現行の消費税(8%)が加算されることになりますので、支払金額は10,800円です。

そこで、貯金箱の中から500円玉を22枚出して支払おうとしたとしても、お店側はその支払いを拒否することができます。

これが先ほどの「貨幣は、額面価格の20倍までを限り、法貨として通用する。」の意味です。

つまり、消費税込みで10,000円なのであれば500円玉を20枚で支払いができますが、消費税別で10,000円の場合には、たとえ満タンになった500円玉貯金箱、つまり手元に300,000円を持っていたとしても、支払いはできないということになります。

500円玉と100円玉を組み合わせるとどうか

では、先ほどの例で、10,800円を支払うにあたり、500円玉20枚と100円玉8枚を出すことはできるでしょうか。

つまり、硬貨を28枚出して支払うことはできるのかという問題です。

この点については、「額面価格の20倍までを限り」と規定されているとおり、あくまでも同じ金額の硬貨は20枚までと規定しているだけであって、貨幣(通貨)の枚数が20枚までと規定しているわけではありません。

したがって、10,800円を支払うにあたり、500円玉を22枚出すことはできませんが、500円玉20枚と100円玉8枚の合計28枚を出すことはできるということになります。

最後に

500円玉だけで支払う場合は不可能なのに100円玉も一緒に支払う場合は枚数が増えるにもかかわらず可能であるというのはおかしな結論だと思われますが、これもまた法律です。

貯めるだけでなく、使うときのことも考えておきましょう。

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