セクハラ・パワハラに対するスポーツ指導者の認識の実態を知った

2018.11.21 活動報告

「はっきり言って、これまでは問題になったことはないのに、今回はなぜ問題になるのかがわからないんですよね。」

 

これは、私が現在相談を受けているセクハラ・パワハラの事案について、加害者本人ではないある指導者による発言です。

私が相談を受けているのは、ダンススポーツをしている女子高生のAさんです。

Aさんは、小学生の頃からダンススポーツに励んでおり、14歳でA級を取得し、将来は日本を代表するダンススポーツ選手になりたいとの目標を掲げて努力を続けていました。

Aさんは、ダンススポーツ界では有名な指導者であるB氏から指導を受けていました。

ところが、Aさんは、5年ほど前から、B氏より、後ろからお尻や太もも・膝の裏を蹴られたり、髪を引っ張られたり、抱きつかれたりといった度重なるパワハラ・セクハラを受けるようになりました。

しかし、Aさんは、このような被害を受けていることを両親に打ち明けてしまうと、B氏から相応の仕打ちを受けることになるのではないと不安に思い、誰にも相談することなく、ただただ耐え続けていました。

そのため、B氏は自らの言動がAさんを傷つけているということすら気づいていなかったことでしょう。

むしろ、B氏は、Aさんが自分のことを慕ってくれているとすら思っていたかもしれません。

そうした矢先、AさんはB氏から更なるセクハラ行為・パワハラ行為を受けました。

その内容は多々あるのですが、私がその中でも特に問題視したのは、

  • 多数の参加者が参加している講習会において、B氏がAさんの容姿を複数回指摘したり、同行者と体型を比較したりして注目させたこと
  • 同講習会において、B氏が女子高生であるAさんの脇腹や腰の辺りを何度もつねったこと
  • B氏がAさんのお尻を叩いて「デカい尻があるんだからちゃんと腰振って動け」などと言ったこと

等でした。

私はこのような言動は、明らかなセクハラ・パワハラに該当するものと考えました。

しかし、B氏の代理人弁護士からは「道義的な責任はあるが、法的な責任はない」との回答でした。

そして、B氏の代理人から、「C氏も同様の認識である」と告げられたのです。

これには私もAさんもその両親も驚きました。

C氏とは、Aさんが加盟しているダンススポーツ連盟の理事長であり、この講習会を開催したダンス教室の学長ですが、Aさんに対して、B氏の言動はセクハラ・パワハラに該当するから弁護士に相談するよう勧めたのは、他ならぬC氏だったからです。

そこで、私は、B氏の代理人から告げられたことが事実であるのかを確認するために、C氏と話をしました。

その際、C氏による第一声が、冒頭の

 

「はっきり言って、これまでは問題になったことはないのに、今回はなぜ問題になるのかがわからないんですよね。」

 

だったのです。

私は、C氏にその言葉の意味を尋ねました。

要するに「これは今に始まったことではなく、以前から行われていたことか」を確認したのです。

すると、C氏は「そうですよ。いつもと同じです。これまでは一度も問題になったことはありません。」との回答でした。

私は、このC氏の言葉を聞いて、すべてが腑に落ちました。

これまでもセクハラ行為・パワハラ行為が行われてきたにもかかわらず、それがセクハラ・パワハラに該当するということを全く認識しておらず、問題視したことすらないのが、ダンススポーツ界の指導者の実態であるということが明確になったのです。

私は、C氏と議論する必要すら感じませんでした。

おそらく、C氏と議論をしたとしても、平行線をたどるだけです。

 

これがセクハラ・パワハラに対する指導者の認識です。

おそらく、これがスポーツ界では一般的な認識だといえるでしょう。

だからこそ、セクハラ・パワハラはスポーツ界からなくならない。

世間との認識が大きくずれているのです。

私がなぜこのように言い切れるのかについて明らかにしておく必要があるでしょう。

私はTwitterで今回の件についてアンケートを採ってみました。

前提条件をすべて挙げてしまうと公平性を欠くことになりますので、できる限り抽象化して、次のようなアンケートにしました。

 

「とあるスポーツでは姿勢が美しいことが評価に大きな影響を与えます。

そのスポーツに励む女子高生が、男性コーチから姿勢を正すために受けた指導方法は

脇腹や腰の肉をつかみ、つねられること

これは

①セクハラであると思う

②セクハラではないと思う

③わからない

④その他」

 

このアンケートは24時間で行い、429票の回答を得ました。

そのうち、71%の方々が「①セクハラである」と回答しました。

逆に「②セクハラではない」と回答した方々は9%でした。

これが世間の認識です。

さて、この世間の認識とスポーツ界の指導者の認識とは合致しているといえるでしょうか。

この認識のずれがなくならない限り、スポーツ界からセクハラ・パワハラはなくならないのです。

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