解決報告-山梨県内のスイミングスクールのコーチによるパワハラ被害

2019.06.13 活動報告

山梨県内のスイミングスクールに通っていた競泳選手(中学3年生)が、同スクールのコーチによるパワハラ行為の被害を受けたとして、選手の代理人として、スイミングスクールの運営会社と示談交渉を行い、解決に至りました。

事案の概要

X選手は、小学校1年生から水泳を始め、小学校3年生頃からは選手コースに進み、競泳選手としての指導を受け、練習に励んでいました。

X選手は、スクールの中でも代表になるくらいの実績があり、県でも上位になるくらいの実績がありました。

ところが、中学3年生になった年の6月ころから、選手コースを担当するAコーチ(スイミングスクール運営会社から指導の委託を受けたコーチ)から、無視されたり指導されなくなったりしました。

X選手にはその理由が全くわかりませんでした。

7月に入り、X選手は別のコーチから「このままだと今の選手コースから2つコースを下げられるかもしれないから、Aコーチに謝ってこい。」と言われました。

X選手は、理由が全くわからないままAコーチに謝罪したところ、Aコーチから

「高校生ならクビにするところだが、中学生のおまえには事情がわからないだろうから今回は許してやる。だがお前とは距離を置く。アドバイスもしない。」

と言われました。

X選手は、Aコーチのことを信頼していましたので、この言葉には強いショックを受けました。

X選手は、その翌日に行われた大会に出場したのを最後に、スイミングスクールを辞め、水泳自体を辞めました。

その後、両親は、X選手がAコーチからこのような仕打ちを受けることになったのがなぜなのかを確認しました。

すると、その理由は

  1. X選手がAコーチ以外のコーチからアドバイスを受けたことで、他の人たちの示しがつかない
  2. 選手コースの年長としてみんなを引っ張ってほしかったのに自覚がなかった
  3. タイムが落ちてきて選手コースには合わなくなってきた
  4. 本気で選手コースから落とすつもりはなく、モチベーションを上げるための起爆剤のつもりだった

などという、およそ正当とはいえないものでした。

X選手が降格とされたのは、小学校5・6年生が在籍する「育成コース」と呼ばれるコースであり、練習日数や練習時間が少なく、1レーンあたりの人数が育成コースの方が多く、しかも遅い選手を追い抜くことができないなど、競泳選手としての練習が十分にできる環境とはいえないものでした。

ご両親からの相談と示談交渉

そのような状況で、ご両親からお問い合わせをいただき、相談を受けました。

その際、ご両親はスイミングスクールのコーチや責任者と面談して説明を受けることになっており、その会話を録音する予定であるとのことでしたので、私からは、せっかくの録音が不利な証拠となってしまい、使えなくなってしまうこともあるため、できるだけ感情的にならずに、相手に事情を詳しく説明させるようにアドバイスしました。

後日、このときの会話の録音をすべて聞きましたが、相手の煮え切らない態度に感情的になってもおかしくない状況であるにもかかわらず、ぐっと我慢していただき、努めて冷静に対応していただけたことで、本件の事情や会社の対応が詳細にわかるものでした。

ご両親の当初の要求は、「再発防止」でした。

X選手と同じ思いを他の選手たちにしてほしくない、そのことは誰よりもX選手自身が望んでいることでした。

しかし、他のコーチがAコーチによる言動はパワハラであることを認めているにもかかわらず、会社の責任者は曖昧な回答に終始しました。

このような対応にご両親の我慢も限界に達し、私が損害賠償請求の依頼を受けて、示談交渉を行うこととなりました。

ご両親との打合せは、メールでのやりとりの他、Skypeを使った打合せを行い、文書や画像・録音データの送受信もメールやSkypeを使って行いました。

スイミングスクール運営会社の代理人弁護士との交渉過程において、会社がX選手から損害賠償を請求される事態に発展したことを理由に、Aコーチが業務委託契約を解除されてスイミングスクールを去ることとなり、そのことがスイミングスクールの他の選手や保護者に告知されたことがわかりました。

このことは、X選手やご両親にとってみれば、スイミングスクールにおける「再発防止」のための方策と評価できるものでした。

そのこともあって、ご両親とX選手としても請求額を減額することとし、無事に示談成立に至りました。

なお、示談書の中には「Aコーチから何ら正当な理由がないにもかかわらず選手コーチから育成コースへの降格を言い渡されたことにより多大な精神的苦痛を受けたこと」や「会社は、AコーチのX選手に対する指導方法について深く反省するとともに、今後X選手のような被害選手を生まないよう再発防止に努めるものとする」などの文言が盛り込まれました。

ご両親とX選手の思い

示談による解決を機に、私からご両親に対して、X選手が受けたようなスポーツ界におけるハラスメントの被害は全国のどこでも起こりえるものの、その手助けをする弁護士が少ないというのも実情であると考えられるため、本件についての顛末をホームページ上に掲載して、弁護士に依頼することの意義を伝えたい旨を申し出ました。

これに対し、ご両親は、

「娘とも話をし、役に立てるなら喜んで掲載をお願いしたいと思います。私達も、今回このようなことが起き、始めはどうすればいいのかもわからず、困っていたところ、親身になっていたただいたことを感謝しています。このように困っている方が少しでもいなくなるよう願っております。」

とのありがたいお言葉とともに快諾していただきました。

本件と同様に、監督やコーチなどの指導者による理不尽な言動にお困りではありませんか?

そもそも誰に相談したらよいのか、弁護士が対応してくれるのか、などの不安をお持ちではありませんか?

私は、「困っている方が少しでもいなくなるよう願っております。」というご両親やX選手の気持ちに応えていきたいと思っています。

同じような境遇でお困りの方はぜひご相談いただければと思っています。

Contact

お問合わせ

お電話でのお問い合わせはこちら

092-409-9367

受付 9:30~18:00 (月〜金)
定休日 土日祝

フォームでのお問い合わせはこちら

Contact Us

Top